2014年(平成26年)5月・初夏35号

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もともと奥多摩に在った自然を残しながら、小動物との触れ合いをコンセプトにした動物園と聞いて、俄然関心を持った。五月晴れの日曜日の午後に訪ねてみると、駐車場はほぼ満車状態。入園料が大人300円、子ども50円というのは何とも親しみが持てる。園内は、ようやく歩き始めた幼児から小学生ほどの小さな子ども連れの若い夫婦で賑わっていた。初老の男が一人でウロウロとするには、何とも場違いな雰囲気だ。

竹林を抜けて日本池の縁まで行った時、アヒルがガアガアと歩道を歩いているのに出合った。ちょうど居合わせた子どもは驚いて走って逃げ、若い両親は「え、良いの」と自由を得たアヒルの出現に戸惑っている。その後、自由のアヒルは竹林の中に飛んで行った。

時間を区切ってではあるが、ヒヨコやモルモットなどを触ったり抱っこしたりできるコーナーや、ミニブタやシバヤギに餌をやることができるコーナーも設けられている。私が通りかかった時には、棒の先に挟んだ小さな葉っぱを、キリンに食べさせる子どもたちで賑わっていた。へっぴり腰で葉っぱを挟んだ棒を差し出す子どもに向かって、「もっと近付いて高くしなきゃ、キリンさんが食べられないでしょ」などと、母親が励ましている様子は微笑ましい。差し出された棒の先に太くて長い舌を絡ませて葉っぱを口に入れるキリンは、棒を通じて小さな手のひらに伝わる感触として、子どもたちの思い出となることだろう。ただ見るだけでなく、動物と触れ合う体験は子どもたちの体に直接記憶されるのだ。

 

手入れの行き届いた動物園内の竹林から、心地良い風が吹き抜けてくる

■次号(36号)は鳥取県で取材し、2014年7月末に掲載予定です。

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