2015年(平成27年)3月・春40号

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放課後、そろばん塾へ行った茉也さんは、祖父の狷三(けんぞう)さん(75)が運転する迎えの車で、午後5時ごろに帰宅した。そろばん塾は週3回、習字が週1回、ピアノにも週1回通っている。塾から一旦帰宅した茉也さんは、軽く夕食を済ませた後、もう一度家を出て、月火水土曜日はバレーボール、金曜日はダンスに行くという過密スケジュールをこなしている。

 

そろばんは、1年生の時からやっています。お姉ちゃんがやっていて、そろばんの玉で計算しているのを見て、何か昔のみたいな感じで面白そうと思ったんです。実際にやってみると楽しいし、塾は毎週3回行ってます。1人だけだけど同級生で1級をとった子がいるので、私も頑張って1級をとるのを目標にしています。

棚田には、1年生の時から田植えと稲刈りの時、子供会で行きますけど、あまりよく覚えていません。でも、棚田で作った黒米は、石部のみんなの家に配られていると思います。学校の給食で1年間に3回、1学期に1週間だけだけど、静岡県の産物を使った給食があって、その時にも黒米ご飯が出ます。他には、桜葉プリンとか夏みかんを半分に切ったのが出ていたように思います。あとは、ヒジキがサラダになったり……。あ、そうだ、ヒジキご飯が今日出ました。ツナとかニンジンとかも入ってます。ちょっと塩っぱいというか、でも、ヒジキご飯は美味しいです。女の子は、あんまりお代わりしないけど、男の子は、お代わりする子もいます。お代わりしないのは、たぶんちょっと恥ずかしいのもあるのかな。

桜葉プリンは、プリンはそのままだけど、桜葉の少し苦いっていうのが、ちょっとね。夏みかんは酸っぱいけど、美味しいです。地元で採れる食べ物で好きなのは、家のヒジキの煮たのが美味しいと思います。給食のヒジキサラダも好きだけど、家で煮たヒジキが一番好き。

これまで食べた中で美味しかったのは、松崎の中華料理のお店で食べたラーメン。まだ1回しか行ったことないけど、そこの味が美味しかったのが忘れられません。たぶん、ジイジかバアバの誕生日だったと思うけど、もう何年か前でした。

外で遊ぶのは、あまりしません。夏休みに海で泳ぐのも、お父さんと一緒の時だけで、1週間に1回くらいかな。バレーボールが好きなんで、お姉ちゃんと一緒に「ハイキュー!!」ってマンガの本を集めています。持っているのは、15冊くらいあるかな。宿題が早い時間に終わっちゃって、けっこう時間がある日とか、休みの日とかに読みます。「ハイキュー!!」を買うお小遣いは、学校のテストで100点とったら100円もらえますので、それで買います。でも、1年間で100点とれるのはけっこう少ないです。あと、たまにお父さんと買い物に行った時に、微妙な小銭というか、そういうのをちょこちょこもらっています。お年玉は貯金します。全然使わない。お年玉は、小っちゃい時からもらっていたけど、いくら貯まっているか分かりません。貯めているお年玉を、いつ使うかは決めてないけど、ちょっと必要な時とかに(貯金を)降ろしてもらったりしようかなって思っています。でも、1度もそうしたことはないし、まだ、大丈夫。

 

祖父母と両親、それに3姉妹と一緒に暮らす茉也さんには、いつも誰かに守られているというような安心感が漂っていた。

|「姉を見ていて、自分もやりたいと始めるんですけど、どれもみんな好きになってしまって、どんどん忙しくなっても止めないんです。それで、家族がみんなで応援するようになっているんですよね。茉也は、家族がみんなで応援してくれていると分かっているみたいですけどね」と、母親の麻理子さん(41)は茉也さんの頑張りが誇らしげだ。

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