2016年(平成28年)5月・初夏47号

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鏡野スポーツ少年団選抜サッカーチームには、6年生が6人か7人います。上齋原小から選抜チームに入っているのは、ぼく1人。ゴールキーパーです。サッカーで大事なことはチームワークだと思います。団結力を高めていくには、自分に任されたことをしっかり果たすことです。ぼくは、来たボールは全部止めるって思ってます。

4年生の時に、捕れるボールをスルーしたことがあって、それは今でも後悔しています。他の所に目が行っていたからじゃないかな。去年、佐良山(津山市のチーム)と試合をやった時に、PK戦でボールを止められたのは嬉しかった。けど、試合には負けました。点を入れたり入れられたりして、熱いバトルになった試合が楽しいです。

相手チームがゴールに向かって攻めて来ている時は緊張します。前に行くか、そのまま居るかと考えて、行けると思ったら行く。ペナルティエリアのどこでボールを捕るかの判断が遅れたら失点に繋がるからです。体が判断するから、それに任せることが大事ですけど、緊張しすぎると体が動かないこともあります。

ユニフォームとスパイクの洗濯は、お母さんに頼む時もあるけど、基本は自分で洗います。お母さんが、自分のだから自分で洗いなさいって。洗うのは、基本お風呂場です。手もみで洗剤をあまり付けないで洗います。冬だと、雪で擦ると汚れが落ちるから、それの方が楽しい。

〈充気郎くんが突然立ち上り、「選抜日記帳」と書かれた小さなノートを持って来た。開いたページに赤鉛筆で囲って「課題」とある。〉

その日の練習で、良かったところと悪かったところを書いています。そこは見せられませんけど、課題なら見ても良いよ。選抜の最後の年だし、最後には、もっと強くなって良い結果を出したいから、ぼくが今年に入ってから決めた課題です。①どんなボールもはじかずに一発でキャッチする。②判断を速くする。③相手がペナルティエリアに入ってきたら、体を低くして前で止められるようになりたい。この3つです。課題を意識しているから、今は、ちょっと体が低くなっていると思います。

中学も高校も部活はサッカーをやる予定です。プロのサッカー選手にはならない。なっても良いけど、たぶんなれないと思う。なってはみたいけど……。

他になりたい仕事はあります。捨て犬や捨て猫とかを拾って保護する犬の保護センターというのかな、保健所かな。ああいうのをやりたい。捨て犬や捨て猫を殺処分とかするじゃないですか。それをせずに譲渡して、殺処分数を減らす仕事です。

5年生の時に犬や猫の授業があって、そこに殺処分数とかの資料があって、〈5年生の時に作った壁新聞を見ながら〉平成25年に行政に引き取られた犬の数が60,662頭あって、その内の28,570頭も殺処分されています。犬や猫が可愛そうだから、飼ってくれる人を探して譲渡して、殺処分される犬や猫の数を減らしたいです。どうやってその仕事をするかといえば、一緒にやってくれる従業員というか人をまず探すかな。

お手伝いは、お母さんに言われた時に、ちょっとだけ洗濯物を畳んだりとかをします。お姉ちゃん(中学3年生)は、調子に乗った時だけ手伝ってます。お姉ちゃんとは喧嘩ばっかり。あんな喧嘩しなければ良かったとは思ったことありません。日々喧嘩しているから。

〈1時間30分余に及ぶインタビューに付き合ってくれた充気郎くん。最後に「写真を撮らせて」と頼むと……〉

写真は何枚撮るんですか。1枚か2枚なら良いけど……。写るのは嫌だ。褒められたりするのも、基本いや。記念に残るのは良いけど、とっておきの1枚ぐらいだけで……。

 

ようやく写真撮影に応じてくれた充気郎くん。大切なものとして一番に名前の挙がった愛犬「ここあ」を抱いてカメラの前に立ってくれた。しかし、視線をカメラと合わせてくれない。チラッとカメラを見てくれる時は、「ここあ」の体で顔を半分隠している。この日の夜、上齋原小学校の体育館でフットサルの練習があると聞いて撮影に行ったが、休憩時間に充気郎くんにレンズを向けると、「今は駄目です」と顔を隠してしまった。さて、撮らせてもらった写真が、とっておきの1枚と充気郎くんに認めてもらえるかどうか、ちょっと心配。目の前の課題に一所懸命に挑もうとする純粋でナイーブな充気郎くん。忘れていた大切なものを教えてもらったようだ。

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