2015年(平成27年) 7月・夏42号
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|3年生の時まで、ぼくが通っていた曽呂小学校は、今年3月で143年の歴史を閉じたんです。お姉ちゃんは、その時6年生で、曽呂小学校最後の卒業生だったから、卒業式の時は、ホールにみんなが1列に並んで、その向う側に保護者がいて、その間を卒業生が通って全員で見送る時があったの。手紙もらったりとか、手紙渡したりとかしたの。それで、最後に見送る、その時にお姉ちゃんと2人で抱きついて、ぼくもお姉ちゃんも泣いたんだけど。それがけっこう印象に残っています。
|お姉ちゃんからもらった手紙に書いてあったのは、「これから私は、中学生になって居なくなるかも知んないけど、新しい江見小で頑張れよ」って、励ましの手紙だった。畑(はた)のけんたくんのお姉ちゃんからは、「けんたが迷惑かけるけどよろしく」って手紙もらって、クローバーの模様が付いているけっこうきれいな封筒だったけど、お姉ちゃんの封筒は普通だった。
|あと、ぼくと同じ「嶺岡Fインパルス」の6年生からも、「野球頑張れよ」とか「勉強しっかりやれよ」って手紙をもらったの。
|曽呂小学校の一番楽しい思い出は、3年生の時の運動会。応援団で応援合戦の時にけっこういっぱい声が出せたのと、最後の全校リレーで1位だった。曽呂小の第一応援歌は100年以上変わっていない応援歌で、出だしは「秋空晴れて 気は澄みぬ」だけど、えーっ、続きは江見小の応援歌とごっちゃになっちゃって、赤白の応援合戦の時に歌うんです。
|応援団はみんなの前に出て劇をするんです。去年は、「里見八犬伝」っていう本があって、その真似で「曽呂三犬伝」ていう奴をやって、でまあ、ぼくは悪役のリーダーみたいな感じでした。物語は、姫が悪役のぼくたちにさらわれて、その後、応援団の団長と副団長ともう1人の団員が姫を助けることになって、最初は悪役が勝って、引き返した後に力を付けて、悪役を倒して姫を助けるの。一人一人が玉を持ってて、応援団の3人と姫の4人で「赤組団結」っていう4文字ができる玉で、それを完成させるの。結局、運動会は赤組が負けちゃったんだけど。
|夏休みの計画の1番は勉強、2番は野球、3番は遊ぶ。野球で守っているのはサードで、打順は2番です。そんなに強いチームじゃないから、ま、だいたいサードは自分が守ってます。ぼくが一番大切にしているものは、野球やってるからやっぱりバットかな。2本あって、1本は1年ぐらい前からあって、もう1本は半年ぐらい前に買った。前からあったバットは重くて、5、6年生になって使えるようになったら振ったりとかしようと思って、新しいのは軽いのを買ったの。実は、お父さんが「嶺岡Fインパルス」の監督だから、お父さんと一緒にバットを買いに行きました。お父さんが監督だと、ぼくにだけ厳しい。監督としては守備に力を入れるって感じで、ノックが早いです。ぼくが完璧に捕ったと思ったやつを「しっかりしろ」って言われたりすると、ぼくは良く分かんないから「えっなんで」って思うけど、その後で、違うところをきちんと言ってくれるから、そういうことも分かるお父さんはすごいと思う。お父さんが監督というのは尊敬できます。
|夏休みの計画3番の遊ぶは、友だちと一緒に自転車に乗って遊ぶことです。自転車に乗って曽呂小へ行こうかなって思って。1か月1000円もらってるお小遣いは、その時にジュースを買ったりするのに使おうかなって思ってます。
|それと、もう1つクリアーしたいのが水泳なんです。ぼくは今、13メートルぐらい泳げますけど、6年生の目標が1種50メートルで、クロールでも何でもいいから50メートル泳がなきゃいけないんです。えーって思うけど、畑の友だちはみんなクリアーしてるから、みんな一緒に遊んでるのに、ぼくだけ学校に残されて練習。クロールで1回は息継ぎができたとしても、その後、調子というかリズムが分かんなくなって。体育だったら、水泳と縄跳び以外は、まあ得意なんですけど。もしかしたら、水泳が苦手なのは、生まれつきかも知れなくて。うちのお父さんもお母さんもお姉ちゃんも、いまやっと25メートル泳げるぐらいだからです。
大切にしているものは「野球やってるからやっぱりバットかな」と、
李樹くんが玄関に置いてあるケースから2本のバットを取り出して見せてくれた
スクールバスの終点青年館からは自宅へ歩いて帰る
甘夏みかんを持って来てくれた李樹くんと祖母の良子さん(67)
畑地区の集落が見える自宅近くの道で石井李樹くん
1学期の終業式を終えた午後、夏休み気分の李樹くん(右)は、さっそく姉の芽育さん(中)、6年生の石井健太くんと一緒に自転車で遊んでいた
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